冷え性により血流が悪くなると、卵胞刺激ホルモンが分泌されにくくなり、排卵障害を引き起こし不妊症の原因に。また、卵巣への血流が不足すると、体外受精の際に十分に発育した卵を得られなかったり、卵胞の発育が悪くなって排卵しないなどの不妊症の原因になります。
排卵は、ホルモンの伝達によってうながされるのですが、冷え性で血行が悪いと、脳下垂体から分泌される排卵を促す黄体化ホルモンが血流にのって卵巣がうまく届かず、排卵を起こせなくなる場合があるのです。
漢方では、不妊症と深い関係があると考えられているのが「腎虚」です。「腎」とは外腎・副腎・内腎の3つをさし、副腎・内腎は副腎・腎臓を、外腎は泌尿器・生殖器(男性では睾丸・膀胱など、女性では卵巣・子宮・膀胱など)をさします。この腎の機能が低下することを腎虚といい、不妊症の原因と考えられているのです。腎の機能が低下すると、男性では精子や生殖器の異常・精力減退・勃起障害、女性では卵巣・黄体の機能不全などが現れます。
ではなぜ腎虚になるかというと、体温の低下、冷え性がその大きな原因と考えられます。本来男性は、女性に比べて冷え性になりにくいのですが、冷暖房が完備されたストレスが多く現代では、体温の低い或いは冷え性男性が増えているようです。
また、この冷え性は、性交障害のメカニズムにも関与し、自律神経にも影響を及ぼし、更に不妊性の原因を引き起こします。ただし、睾丸は体温よりも温度が低い状態が好ましいので、むれないように通気性の良い下着を選ぶなどの工夫が必要です。