漢方薬の特徴と魅力
漢方薬が西洋の合成医薬ともっとも異なる点は、その働き方です。合成医薬が「毒をもって毒を制す」というアプローチなのに対し、漢方薬は「体の自然治癒力を回復させる」というアプローチです。副作用が少ないのもこのことに起因します。
今日、ますます人気が上昇している漢方薬の魅力は、いろいろ考えられます。たとえば、人体になじみやすい天然物を使用していること、副作用の心配がいらないこと、全身の体のゆがみを正すことにポイントをおく治療法であること、等々です。
しかし、もっと重要なのは、将来はさらに重要になると思われる、疾病構造の大変化が関係していることです。感染症や急性病は現代医学によってほぼ征服されましたが、まだまだ多くの成人病、慢性病、免疫疾患が人類を苦しめています。このような疾患にいちばん持ち味を発揮するのが漢方薬です。総合的な視野から患者を見て、生体が自らを守っていこうとする防衛機構の手助けをする漢方薬が着目されるのは、当然のことといえます。
中国医学は、一部の専門家だけが作り上げた体系ではなく、4000年の歴史の中で、庶民の間で長い試行錯誤を経て次第に高度化してきた体系です。その中には“絶方妙薬”と言われるほどの漢方薬もあり、その薬はその製薬メーカーしか作れません、例えば、北京同仁堂の漢方薬。その薬の対象病気であれば不思議なほど効きます。だから、根本にある考え方は、誰にでも理解でき、納得しやすいのです。
その智恵の結晶である中成薬は、家庭常備薬としてふさわしいと言えましょう。
漢方薬の服用(使用)方法
漢方薬はなるべく砂鍋でゆでてください。砂鍋或は普通のお椀を使ってください。絶対鉄製の物を使わないでください。砂鍋は漢方薬の中の有効な成分を出させると同時に漢方薬を暖める時、平均的に暖めることができます。
水の量:第一回、漢方薬を暖める時(煮る時)、水の量は漢方薬を全部埋めてからプラス3−5cm程多く入れてください、第二回暖める時(煮る時)、水の量は漢方薬を全部埋めてからプラス3cm多く入れてください。
薬品(漢方薬)を煮る時に注意すべき問題:
1.漢方薬を煮る前に必ずしも水の中に長時間置いてください。漢方薬は乾燥品が多く、硬いです。長時間水の中に置くと、軟らかくすることができて、煮る時も効果が良くなります。一般花、葉、茎類の薬品は、水に入れる時間は1−1.5時間。根、たね、根茎、果実類の薬品は、水に入れる時間は2−3時間とお勧めします。
2.漢方薬煮る回数:一回煮るより、何回煮たほうか効果がいいです。二回煮たら、その中の漢方薬の成分の80%が出てきます。ですから、三、四回煮るよう、お勧めします。(その方が、効果が一番いいです!)
3.漢方薬煮る時、温度に注意:漢方薬を煮る時の温度、漢方薬では“火候”と言います。 “文火”と“武火”があります。“文火”は弱火、水を少しずつ蒸発させることで、“武火”強火で水を急に蒸発させることです。温度を急に上げると、焦げる場合がありますが、ずっと弱火だとしたら漢方薬の成分を良く出すことができません。中国では、普通お湯を沸かす前までは強火を使って、お湯を沸かしたら弱火を使って、じっくりと煮てください。その方が、効果が一番いいです。
4.漢方薬煮る時間:煮る時間は薬物の成分、状況によって違います。一般的なのは第一回は水を沸かした後から20−30分間、第二回は水を沸かした後から30−40分間で結構です。風邪を治療する薬品は:第一回は水を沸かした後から10−15分間、第二回は水を沸かした後から15−20分間で結構です。栄養補給の薬品であれば、第一回は水を沸かした後から30−40分間、第二回は水を沸かした後から40−50分間で結構です。
5.漢方薬飲む回数とその量:薬品(漢方薬)を煮た後(煮た水が薬品となります)。成人は一日二回、一回400−600ml。幼児の場合は一日二から三回お飲みください、一回飲む量は200−300mlです。
6.漢方薬服用方法:二回煮た漢方薬を二回に分けてお飲みください。幼児の場合は2−3回に分けてお飲みください。風邪、発熱、下痢の薬は4時間に一回、毎回30−40mlをお飲みください。病状がだいだい治まれば、毎日2−3回お飲みください。幼児の場合は毎回量は少なくし、飲む回数を多めにしてください。
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