貧血というと、頭がふらふらする症状を思い浮かべるでしょうが、症状が全くなく、血液検査で貧血とわかる人もいます。
簡単にいうと、貧血は血液中の赤血球または赤血球中のヘモグロビンが減少した状態のことです。
貧血による組織への酸素供給量の低下を補うために、心拍数の増加による動悸や息切れ、易(い)疲労感(疲れやすい)、全身の倦怠感(けんたいかん)、頭重感、顔面蒼白、狭心症様症状(胸の痛み)などの一般的な貧血症状が現れます。くわえて、組織鉄の欠乏が進むと爪がスプーン状になったり、口角炎、舌炎、嚥下(えんげ)障害(プラマービンソン症候群)などがみられることもあります。
なお、立ちくらみ(いわゆる脳貧血(のうひんけつ))はひどい貧血の場合にも起こりますが、多くは自律神経機能の低下により下半身の血管が縮まらず、その結果、上半身が血液不足になって起こります。小児の鉄欠乏性貧血のなかには、泥、ちり、釘(くぎ)、チョークなどを食べる異嗜症(いししょう)を示す症例もあります。
貧血は徐々に進むことが多いため、ヘモグロビンが6〜7gdlくらいまでに減少していても、体が順応して明らかな貧血症状がみられないこともあります。
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