「異型上皮」は、がんではないが正常とも言い切れない
細胞診の検査結果は、「正常」から「がん」までいくつかの段階に分けて判定されます。細胞の形態に異常があれば、がんでなくても精密検査が必要になることがあります。 正常細胞ががんへと進んでいく場合には、がんになる前段階として「異型上皮」と呼ばれる状態があります。がんではないけれど、正常とも言い切れない状態のことです。異型上皮の程度によって、精密検査や治療を行うかどうかが分かれます。
精密検査では入院は不要です。子宮頸部を拡大鏡で拡大して詳細に観察するコルポスコピー、病変が疑わしい部分の組織を少し採取して検査をする病理検査(生検)などが行われます。この病理検査の結果を見て今後のことが決まります。また、ヒトパピローマウイルスの有無を検出する検査を行うこともあります。 このような検査によって、定期的に検査をして経過を見るだけでいいのか、どれくらいの間隔で検査をするといいのか、それとも積極的に治療を考えた方がいいのかを判断します。
子宮頸がん検診は、子宮頸部に問題がないかどうかを広く調べて精密検査が必要かどうかを大まかに判断する検査です。もし精密検査が必要となってもがんではない場合もありますし、がんではなく異型上皮と判断されていた方からがんが見つかることもあります。 精密検査が必要と言われたら、まずはその結果を元に必要な検査を積極的に受けて、今の自分の体の状態を知ることが大事です。
精密検査の結果、定期的な経過観察(検査含む)だけでいい場合も多いのですが、もし悪化していくような状態でも、検査をきちんと受けることで、早期に発見できて軽い治療で乗り切ることができます。がんばって検査を受けて、その結果を生かしていきましょう。
|