みなさん水を飲みすぎていませんか?
水を飲むことによって調子が良くなる人はもちろん、運動前や寝る前のようにたくさん汗かくことがわかっているときや狭心症、脳梗塞の疑いがある人は水を大目に飲んだ方がよいと思います。中医学でも体内の水分が足りないのも病気の原因になります。でも、水が多すぎるのも病気の原因になると考えていています。邪魔な水が身体にたまり、停滞することによって様々な困った症状が起こってくるとされているのです。
中医学で、西洋医学のように手放しでお水を飲むことをお勧めできない理由は、水分の代謝にもエネルギーが必要だと考えているからです。中医学では、水を吸収したり、使える形に変えたり、運搬したり、排出したりするにもエネルギーを使っていると考えているのです。 体の内部は常に一定でなければなりません。もし塩辛いものを食べたとしたら、濃度を薄めるために、必ずのどが渇いて水分を欲します。逆に、過剰に水分を摂取すると、濃度が薄まるのを防ぎ体内を一定に保つために、どうしても水分を排出するのです。もし自分のエネルギーで処理できる以上の水分を摂取してしまうと、水分がたまったり、水が過剰で動かすことができなくなると考えるのです。
水分が過剰な具体的な証拠とし中医学的には、「ムクミ」、「回転性のめまい」、「頭痛・頭重」、「食欲不振」や「下痢」、「吐き気」などがよくみられます。「むくみ」、これは手足やまぶたなどの体の表面の部位で水が停滞したときに起こります。胃腸などのお腹の辺りに水がたまれば、「食欲不振」や「下痢」、「吐き気」などが起こります。頭や上部で水が停滞すれば「頭痛・頭重」「めまい」、特に揺れる様なめまいや回転性のめまいが起こるとされています。もしこれらが、水分を取り過ぎたり、お天気が悪いとき、またはお天気が悪くなる前の日に起こっているようでしたら、体内の過剰な水分が悪さしている可能性があります。
水太りのメカニズム
体内の「水」の流れを主に司る臓器は腎臓と肝臓ですが、血液と違って水分の代謝は頻繁に繰り返されることもあり、ちょっとした内臓器官の乱れでは「水」の流れが急激に変化することはありません。 しかし、水分代謝がうまくいっていないと、徐々に体内バランスを失っていくことになります。 「水」が不足した状態も停滞した状態も健康上は好ましくありませんが、「水太り」のほとんどの原因は後者の、「水」の停滞によるものです。水分が必要以上に体内に留まっているから体重も増える、ともいえますが、 停滞すると水分ばかりか身体の各器官に行き渡るべき栄養分も滞ってしまうので、同時に脂肪も付きやすくなるのです。 「水太り」は水分を摂り過ぎているから、と利尿剤を飲んで体重を減らそうという人もいますが、一時的に水分を出しても「水滞」の根本的な原因を改善しなければ意味がありません。 しかも利尿剤を服用し続けると腎機能の低下など、副作用に悩まされることにもなり危険です。 「水太り」タイプのダイエットは、あくまでも全身の水分の流れがよく、また水分の量を過不足なく調節できる体質をつくること。水分代謝の機能を整えることが出来ればむくみやめまいなどの症状も改善できるはずです。
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